ウディ・アレンらしいクラシカルな雰囲気で始まる映画。
ジャズと古い英文字に期待感が膨らむ。
それに反して、現代的で風光明媚なサンセバスチャンが物語の舞台。
主人公は自称小説家で、かつて大学でクラッシック映画の講義をしていたというモート。インテリぶりたい初老男性。
妻スーは映画の広報担当。映画祭のために夫婦でサンセバスチャンへ来ている。
注目の新進映画監督へ入れ込んでいる妻に、モートは冷めた目で見ている。
その辺にウディ・アレンの本音が見え隠れする。
いつもの主人公は、かなり癖がありイヤミな人物だけど、どこか可愛げもあるような人物。だけどモートにはそんな感じすらなく、皮肉も毒気も足りずあまり魅力を感じられなかった(そもそも役者が歳をとりすぎてないか)
モートの見る幻覚は、古典映画へのオマージュなのだが、それらの映画を見たことがないので良さも分からず…
エンドロールもまたクラシカルで、そこだけはウディ・アレンらしさを感じるところだった。