たまさんの映画レビュー・感想・評価

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エッフェル塔~創造者の愛~(2021年製作の映画)

3.0

“史実をもとに自由に創った物語”
という映画だそうです。

昨夜、NHKBSでエッフェル塔とエッフェルについての番組を見たばかりで、この映画はかなりタイムリーでした。

19世紀末に300メートルもの
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スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

4.5

国家を隔てるイデオロギー。

在日コリアン二世の映画監督のヤン・ヨンヒが、大阪で生まれ、米軍からの爆撃を逃れ、韓国済州島へ疎開するも、済州4,3事件から命からがら日本へ再び逃れたという過去を持つ、年老
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ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

3.5

高級レストランと移民の少年たち。
普段はなかなか結びつかない関係。

カリスマシェフで有名なレストランで働く、副料理長のカティは、シェフとぶつかり辞職する。
職を探す中でたどり着いたのは、難民の自立支
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.0

パリの街が堪能できます。
生き生きとして近代的で、なおかつ歴史を感じさせるパリ。

エッフェル塔とセーヌ川のコントラストにもワクワクする。

それでもパリでのタクシー運転手は、楽ではなさそう。渋滞や罵
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

1820年代アメリカ、開拓時代にオレゴンに流れてきた男達の物語。
料理人と中国人移民の友情を描く。

中国系移民、ロシア移民も居たんだなぁと感心したり、ビーバーの毛かソフトゴールドと呼ばれていたり、肉
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忘れられし愛(2023年製作の映画)

3.5

1900年初頭のポーランドが舞台となれば見るしかない。
東欧のジメっぽさを期待してたけど、そこはNetflix映画だから、エンタメ性が満載。

ワルシャワで、かつては名うての外科医だった男が家族に去ら
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6月0日 アイヒマンが処刑された日(2022年製作の映画)

4.0

アイヒマンは、ユダヤ人をアウシュヴィッツの強制収容所に送った張本人。
これは映画で見た。

戦後アルゼンチンに逃れ、モサドにより拘束されイスラエルに連行される。
これも映画で見た。

イスラエルでアイ
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

「偶然と想像」タイトルが示すとおりのストーリーが、オムニバスで展開する。

親友同士の恋バナ、大学教授と生徒、20年ぶりに再会した女友達の3つの物語。

1本目は親友の、魔法のような出会いの相手が、自
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

2.5

3つの願い…
叶うのなら何を願おうかな。

古今東西の物語や神話を研究する、ティルダ・スウィントン演じる学者アリシアは、イスタンブールで美しいガラスの小瓶を購入する。

滞在中のホテルで、その小瓶の中
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ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.0

懐かしいブラックベリー。
映画でよく見かけたな。
両手の親指で操作するのが、斬新?だなって思った。

でも、あっという間にスマートフォンの世の中になっちゃった。

ブラックベリーを開発した、メカオタク
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.0

リチャード・リンクレイター監督と言うと、しっとりした作品を思い浮かべてしまうけど、かなりコミカルに振り切りましたね。

ケイト・ブランシェットもすっかりノリノリで演じていたように感じました。
人嫌いの
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帰れない山(2022年製作の映画)

4.0

若い頃は海が好きだった。
だけど年齢を重ねるにつれ、山の魅力を理解できるようになった気がする。

山のその神秘性と壮大さに圧倒され、とても神聖な場所だと思えてくる。

画面いっぱいに広がる、山々が連な
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裸足になって(2022年製作の映画)

3.5

トウシューズを脱いで、裸足になってみると…
別の世界が見えてきた…

「パヒチャ 未来へのランウェイ」以来のアルジェリアだと映画と思ったら、同じ監督&主演だった。

パピチャは一昔前の、今作は今のアル
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.5

見るのが辛かった。

子供が犯罪を犯したり、犯罪に巻き込まれたりするのを見るのは辛い。
だって子供は何も悪くないから。

見るのが辛くても、直視しなくちゃいけないことなのは分かっている。
難民の現実に
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

4.0

モロッコの旧市街が舞台の、伝統衣装カフタンの物語。

愛に溢れている。

ひと針ひと針、カフタンの刺繍はそうやってできるのか。しなやかな布地にきらびやかな紋様が美しい。

カフタンの仕立て屋の、寡黙な
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

すっごく面白かった!
だけど、中盤の長い長い船酔いのシーンに辟易してしまった。
とても見ていられなかった。
せっかく面白かったのに…気分を害してしまった。

第1章のモデルのインフルエンサーとメンズモ
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.0

動物モノは必要以上に、感情移入してしまうので要注意。

でも、そもそも勝手にハートウォーミングな映画かと思ってしまったのがいけなかった。
癒されるというより、気分が落ち込むような映画だった。

ロバは
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

舞台はロシア。
でっかいビデオカメラを手にしてるので、時代はかなり前のようだ。公衆電話も出てくる。

主人公ラウラはフィンランドからの留学生。考古学を専攻している。
恋人の大学教授の女性、イリーナのド
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ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

3.5

めずらしい“ジョージアの映画”ということで、どうしても見たかった。

かつてジョージアの映画「金の糸」を鑑賞した時は、自由を謳歌する人やソ連時代を懐かしむ人がいる現実を知ったけど、この映画はそんな社会
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告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)

4.0

事実と虚偽の告白が入り乱れる。

観客をミスリードするためには、役者に高度な演技力が求められる。
演技力の高さが功を奏して、すっかり映画に没入した。

IT企業の社長の不倫相手が殺害された事件と、前日
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

“夢を叶える”そんな人、世界にどれだけいるのだろうか?

“レーサーになりたい”って思っていた、ただのゲーマーがプロのレーサーに。
なかなか信じ難いストーリーだけど、実話。

「グランツーリスモ」とい
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

3.0

古い映画は見ない主義(??)だけど、フランソワ・オゾン監督の「苦い涙」を見たので、ついでに(?)元となった1970年代のこの映画も鑑賞。

登場人物が、男女入れ替わっている事を除けば、ほぼ同様の内容。
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苦い涙(2022年製作の映画)

3.5

人はいとも簡単に他人を傷つける。
手段は星の数ほどある。
そして、傷つくのも容易いこと。

舞台は1970年代だろうか、タイプライターやダイヤル式の電話が懐かしい。
映像の質感もレトロで、アナログ感が
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バービー(2023年製作の映画)

2.5

なるほど、バービー人形を初めて見たアメリカの女の子たちにとっては衝撃的だったんだろうな。

1950年代のアメリカの価値観がびっしり詰まった、完璧な美しさを兼ね備えたお人形。
それが多くの女の子の憧れ
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

3.5

“ボーイ・ミーツ・ガール”
“ひと夏の思い出”
だけどどこか違う。

ケベック曇り空。
鬱蒼とした湖の湖畔。
画面も暗く、楽しい避暑地とは思えない。

母親同士が親友の、クロエとバスティアン。2年ぶり
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.5

実話ベースなので安心して見れます。

でも、ひとりの主婦が歴史を翻した…という文言にはどうも納得がいかない。
フィリッパは仕事も持っていたし、ただの主婦には大した能力が無いとでも言いたいようで…

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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.0

フランス映画らしい、ぼんやりとした、なんてことない映画。
だけど響いてくる。何でだろう。

夫が出ていき、家族を養わなくてはならなくなったエリザベート。ろくに仕事の経験も無かったけど、運良く深夜のラジ
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猫と、とうさん(2022年製作の映画)

3.0

コロナ禍、猫と過した男性9人と、猫たちのドキュメンタリー。
猫の可愛さに、いつまでも見ていられる。

アメリカ人男性は犬好きって、とても理解出来る。大型犬を従えるのが男らしさの象徴と言わんばかりに。
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The Son/息子(2022年製作の映画)

3.5

誰にでも過去を思い出し、あの頃はよかったとノスタルジーに浸る事がある。
出来ることなら、あの頃に戻りたいと。

NYの敏腕弁護士、ヒュー・ジャックマン演じるピーターの元に、元妻が訪れる。
17才の息子
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キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(2021年製作の映画)

3.0

東欧独特の、暗くどんよりとした雰囲気が漂う。

始まりは、第二次世界大戦前夜。
舞台は現在のウクライナ領のポーランド。
そう聞くだけで、国境線が幾度となく塗り替えられ、人種と宗教が入り乱れるモザイクの
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

4.5

韓国の映画はセンスがいいなぁ

数学とバッハ、全く個性の違うふたつが素晴らしいコラボレーションを見せている。
円周率のピアノのシーンは訳もなく震えた。
エンドクレジットで流れる曲も美しい。

数学は、
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幻滅(2021年製作の映画)

4.0

“幻滅”

幻想からさめること。美しく心に描いていた事が、現実には幻に過ぎないと悟らされること。

19世紀前半のパリ、詩人としての才能と野心を持ち合わせたリュシアンは、地方から意気揚々とパリへ向かう
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

4.0

記念すべき初モンゴル映画。

知られざるモンゴル、遊牧民というイメージから抜け出せない自分を反省する。ウランバートル、そこは日本と何ら変わらない世界だった。

オフビートな映画と形容されているように、
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.0

人生には、どれだけ分岐点があるんだろう。もしかしたら、今日もそのひとつかもしれない…

ピアニストを目指す女性ジュリアの、偶然と選択の中で、幾つもにも分岐した人生を描く。

たった一度の人生、別の選択
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

小さなアパートで繰り広げられる会話劇。
息苦しくなるほどの閉塞感は、画面のサイズとも関係しているのかも。画の薄暗さもしかり。
巨体で身動きの取れない、チャーリーの風貌も相まっている。

チャーリーの娘
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ワース 命の値段(2019年製作の映画)

4.0

同時多発テロによって、命を落とした人たちへの、政府の補償プログラム。

そのプログラムの特別管理人に選出されたマイケル・キートン演じる代理人ケン。命に値段をつける仕事。

その値段が、その人の価値にな
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