滝井椎野

シャドウ・イン・クラウドの滝井椎野のレビュー・感想・評価

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
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これは愛すべきバカ映画。
演出から展開から、突っ込みどころが多くて見応えがある。
あらすじの時点からそんなに要素盛り込んで大丈夫か……? と心配していたが、やはり大丈夫ではなかった。
戦闘機との銃撃戦やグレムリンとの対決、機密任務や主人公の抱える秘密。どれもこれもが唐突で、観ているこちらは基本的に置いてきぼりにされてしまう。だが、それを補って余るほどの画面の強さが本作にはあり、個人的にはとても満足できた。
飛行機にへばり付き続ける尋常じゃない握力の主人公、結構衝撃を受け続けているのにケロッとしている赤ん坊等、「そうはならんやろ……」が絶え間なく供給される。特に飛行機から落ちた主人公が、ちょうど真下で爆発した戦闘機の爆風に押し戻されて機内へと生還するシーンは素晴らしかった。極めつけが、グレムリンとの対決である。対決というよりは、逃げるグレムリンを主人公が追い詰めてボコボコにするという、どちらがモンスターか分からなくなるようなシーンだが、とにかくクロエ・モレッツが格好良かった。

こういう映画は定期的に観たくなる。
エンタメというのはこういうものだな……と嬉しくなった。
滝井椎野

滝井椎野