Jun潤

シャドウ・イン・クラウドのJun潤のレビュー・感想・評価

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
3.1
2022.04.05

予告を見て気になった作品。

1943年、第二次世界大戦下のニュージーランドから、サモアに向けて輸送機が離陸しようとしていた。
そこに、上官からの極秘任務を携えて空軍将校のギャレットが乗り込む。
座る場所がないからと銃座に押し込まれた彼女は、同乗隊員たちの下劣な会話に押されながら任務遂行のためにサモアを目指す。
やがて輸送機に襲いくる零戦と謎の生物、果たしてギャレットの任務とは?
そしてギャレットは任務を遂行することができるのかー。

いやはやこれはなかなかのB級感。
あとクロエ・グレース・モレッツめっっっちゃ可愛い。

序盤は銃座のギャレットのみを映し出すワンシチュエーション・モンスターパニックといった感じ。
隊員たちの自己紹介とともに顔の映像を出して、その後の会話に繋げるのは上手いと思いました。
とはいえストーリーに対して登場人物が多いし離陸前の描写が少ないものだから、今喋ってるのは誰、という思考には行き着きませんでしたが…。

中盤にはギャレットの任務の全容が。
わざわざ舞台を第二次世界大戦下にしたのには何か理由があるのかと思いきや、政治的思惑もなく、昼ドラチックな痴情の絡れのみ。
これは現代でもギャレットへの風当たりは変わらないのでは?と思いましたし、戦闘シーンにも当時ならではの事情も見えてこなかったので、ただ単に零戦を出したかっただけのような気も。

肝心のvs.グレムリンも、倒し方に当時の空気感がなかったので、空想上の生物が実在したけど存在は俄に囁かれている程度、のための舞台装置にしかなっていませんでした。

後半は狭い機内を舞台にしたパニックアクション。
という割に、降下しつつある飛行機内にしては風や重力も感じ取れないし、スリルやスピード感の演出も足りず、むしろ狭いが故にできることも制限されて普通のアクションもの以下の出来栄え。

グレムリンのCGをはじめ、ギャレットが宙吊りになる場面も浮いているし、画面を上下反転したものだからギャレットのシュールなハイハイに見えて少し残念…。

エンドロールには女性兵士の活躍写真が。
ウクライナ危機の時勢と半端な男女平等の時流的に進んで志願する女性に現実味を感じませんでした。
それだけ終戦後の日本は平和だったのかもと思いますが…、油断は禁物ですね。
それに邦画の戦争ものを見ていると背景も何も描かれずに零戦を単純な敵機として描いていて、撃ってきたから撃墜する!な描写には浅さを感じました、まぁB級映画にそこまで求めるなな気もします。

ホントにもうクロエ・モレッツの顔面だけ楽しんだような気分です。
Jun潤

Jun潤