ぶみ

シャドウ・イン・クラウドのぶみのレビュー・感想・評価

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
3.0
頼れるのは、私だけ。

ロザンヌ・リャン監督、クロエ・グレース・モレッツ主演による、アメリカ、ニュージーランド製作のスリラー。
第二次世界大戦中のニュージーランドを舞台とし、オークランドからサモアへ向かう大型爆撃機に乗り込んだ空軍大尉が、伝説の生き物「グレムリン」と対峙する姿を描く。
主人公となる空軍大尉・モードをクロエが演じているほか、爆撃機の乗組員としてニック・ロビンソン、ビューラ・コアレ、テイラー・ジョン・スミス等が登場。
物語は、上官からの密命を受けて最高機密の入った鞄を持つモードが男性ばかりの爆撃機に乗り込んだものの、その爆撃機の下部にある狭い砲台の銃座に押し込まれた挙句、グレムリンに襲われるという、現実と虚構が入り混じったような奇抜な設定。
そのため、モードが狭い銃座という閉所内であたふたするワンシチュエーションものをベースとしつつ、日本軍の戦闘機に襲われる戦争アクションもの、怪物グレムリンと対峙するパニック&ホラーもの、機長不在となるフライトパニックものに、モードの抱える鞄の秘密というミステリ要素が加わるという、なかなかジャンル分けが困難な展開を見せてくれる。
特に、銃座内で身動きが取れないというシチュエーションが物語の大半を占めているため、モード演じるクロエの様々な表情がドアップで映し出されるため、これはもう彼女のファンには堪らないもの。
いかんせん、明らかに合成っぽい映像が随所に見られるのが残念ではあるものの、女性の監督らしく、一人戦場に立ち向かう女性の強さやしなやかさを皮肉を込めて痛快に描き出しているとともに、奇抜な設定のスリラーとして、終始楽しめる一作。

日本軍の愛知E13Aが接近してる。
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