このレビューはネタバレを含みます
北アイルランドに暮らすシングルファーザーのジョンと4歳の息子マイケルの物語。
ジョンは窓拭き職人。最愛の息子マイケルを日中はシッターや知人の家で面倒を見てもらっている。
寝る前の絵本の読み聞かせや、公園の散歩。二人には穏やかで愛に満ちた時間が流れている。(雨の多い気候でジョンはいつもマイケル用の小さな傘を手にしているなどジョンの優しさがそこかしこに)
次第に、ジョンが不治の病で死が近づいている事が明らかになる。
一人残されてしまうマイケルのこれからのため、養子縁組の手続きを始めるジョン。
親身になって寄り添うソーシャルワーカーと候補となる家族をマイケルと共に訪ね歩く日々。
どの家族を選べば良いのか、間違った選択をしてマイケルを不幸にしてしまわないか...その不安、愛するマイケルを手放さねばならない辛さ、次第に体調が悪化する苦しみ...
幼いマイケルも次第に父に何かが起こることを気づいている様子...
公園でカブトムシの死骸を見つけたマイケルにその「死」について静かに語るジョン。
死を迎える準備を終えたジョンが選ぶのは...
原題『Nowhere Special』は、ジョンがこれから行く“目に見えないが(マイケルの側で見守る)特別な場所”というニュアンスでしょうか。
ジョン(ジェームズ・ノートン)とマイケル(ダニエル・ラモント)、二人が素晴らしい。中盤以降は二人の表情、横顔、視線、仕草、後ろ姿、やり取りを見ているだけで涙が込み上げてきます。
このビジュアル見てるだけでまた泣けてくる。。