キャサリン

サマーフィルムにのってのキャサリンのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.0
序盤から映画自体のチープさ粗さに不安を持ちつつも、見終わると「あ〜もう好き!!」しか出てこなかった!
好きなものを好き勝手つくりました感がとても清々しくて、チープさも、途中途中のコミカルなシーンも、突然のSF要素も、全て許せる「かわいさ」のある映画。
ミライカラキマシタ的SF要素なんてそんな重要じゃないのでは?と思いつつ、ライバルチームが「映画に時代劇の要素を入れてみたっ」ってのと同じことをやっていてフフッとなったり。

自分の「好き」を見つけている人って羨ましいし、初期衝動だけでフライング気味にスタートを切っちゃう若さも羨ましいし、作りたいものを悶々と一人で悩めることも羨ましいし、それを仲間が信じて待っていてくれることも羨ましい。
羨ましいって思った気持ち、忘れたくないなあ。

「映画(=武士の青春)」を作る「映画(=サマーフィルムにのって)」という作中作構成で、役者たちもふたつの映画を演技してるわけだけど。
それがラストシーンでスクリーンから飛び出し、体育館で殺陣をやってのけることで、「サマーフィルムにのって」という一つの映画に収束していくようでとても素敵だった。
…というかこの映画自体がむしろ「武士の青春」だったのか!
殺陣のシーン、スポットライトの中、ここから先は二人の世界な感じも◎
「大好きってしか言えねーじゃん!」は対人間だけじゃなかったんだなあ。
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