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スウィート・シングのmykrのレビュー・感想・評価

スウィート・シング(2020年製作の映画)
4.5
アレクサンダー・ロックウェル監督の最新作が日本で劇場公開されるのは、なんと25年ぶり!
これは絶対見に行かなきゃと思い、ずっと楽しみにしていました。
『イン・ザ・スープ』の35mmフィルム上映とぶっ続けで鑑賞。

上映前にアレクサンダー監督のビデオメッセージが流れて、それだけで泣きそうになり、鑑賞中にもちょっと泣き、鑑賞後にパンフレットを読みながら思い出していたら、涙が溢れて止まらなかった。

監督もお話されていたように、2021年の作品とは思えない、まるであの頃のアメリカのインディーズ映画感が最高でした。
モノクロとカラーのバランスや
切り替わりもまったく違和感なく
16ミリフィルムカメラの映像が
温もりを感じて、とても心地よかった。

ロックウェル最新作というだけで見ると決めていて
事前情報をほとんど見ずに鑑賞したので、
家族総出演とは知らず、ビリー役の子なんて魅力的な女優さんなんだろう…
と見惚れてたら、なんと監督の実の娘!ニコも実の息子!母役も実の妻!
おいおいマジか…最高の一家じゃん…
と心の中で唸りました。
特にやっぱりラナがとってもとっても素敵だった。
16ミリフィルムに映るモノクロのラナがすごく美しくて、歌声も素敵だった。

『イン・ザ・スープ』でスキッピーを演じてたウィル・パットンも素晴らしかったです。
製作総指揮にはウィル・パットン、ジェニファー・ビールス、そしてサム・ロックウェルという『イン・ザ・スープ』組が名を連ねているのがまた愛を感じてグッときます。
そして冒頭の “ A Film by Aldopho Rollo “
あぁ、映画完成したんだなと。。泣
ズルくて最高の演出。

監督が「この映画はお金ではなく、愛で作られました。」と言っていたのが、鑑賞後とても伝わってきた。
辛いシーンもあったけど、本当にSweet Thingな愛に溢れた映画で、胸がいっぱいになりました。
今年見た映画で現時点でマイベストワンです。

”I’ve got my love to keep me warm ”
「風が吹いて、雪が降って、寒さが辛くても、愛があるから大丈夫」
やっぱりビリー・ホリデイはいいなぁと、聴きながら帰路につきました。
肌寒いこの季節にぴったり。

ロックウェル監督、また新作待ってます。
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