このレビューはネタバレを含みます
悠木はずっと怖がっていたのかもしれない。
自分の生い立ちや家族との別れ。
きっと、自分が手を伸ばして掴むと壊れてしまいそうな脆さをこの世界に感じ、同時に自分の居場所を探していたのかもと思った。
漠然としたものではなく、この手で掴んでも壊れないものを感じたい。
そんな風に藻掻き、地方の新聞社でもやれるんだと我武者羅に動いていたのかな。
特に今回のこの大スクープの事件、文字通りクライマーズ・ハイ状態で周りが見えなくなり上司とも社長とも対立し駆け抜けていった先で突きつけられた最終の決断。
結局、100%の決定打を掴む事ができず記事にする事をやめるのだが。
結果的に社長の柵の箱庭から出て行かなかったのかな?
今後とも彼と対峙し、場合によれば上司達とも対立し認め合い、悠木らしく真っ直ぐ不器用に生きていくのではないかなと。
最後に息子に会いに行く事ができたのは、彼の中で何かが変わったからかな。
自分が掴もうとすると壊れてしまうと思っていたものが、実はそうではなかったのだと気づいたから?
的外れな見方なのかもと思いながら自分設定が出来てしまってそういう目で作品を観てたけど、違う見解を知れば、また違う目で作品を観れて面白そう。
あと佐山役の堺さん。
この役の彼がただただカッコ良かったのは間違いない(笑)