めちゃくちゃ期待してたし、面白かったのだけれど、大満足のカタルシスを得るまでには至らず。
前作のほうが数倍、大興奮できたのは何故だろうかと、不本意ながらもあれこれと理由を考えてしまった。
マッドとユーモアのバランスの問題?
行って帰ってくる、だった前作のシンプルさが良かったのかな?
水や食料の枯渇の表現が甘かったから?
序盤の誘拐シークエンスでのガソリンタンクの奪い合いはとても良かった。
水が無くて、食料が無くて、ガソリンが無くて、の表現がもっと必要だったのかな。
フュリオサとジャックが反目することなく、すんなり通じ合えてしまったのももったいなかった。
戦い方を教える、と言ってたわりにそこが全然無かったし。
イモータン・ジョーが砦に留まっての采配だけで出陣しなかったから?
ウォーボーイズたちへのカルト宗教的なおぞましさが薄まっていた。
ディメンタス将軍の狂気が足りなかったから?
小賢しさよりも脳筋ヒャッハーの狂ったエネルギーをもっと大放出して欲しかった。
あの熊ちゃんぬいぐるみをフュリオサはディメンタス将軍の目の前で八つ裂きにすべき。
エレキギター野郎と太鼓隊が出てこなかったから?
というか次作ではあのエレキギター野郎の前日譚が観たいです笑
最終的に、イモータン・ジョーの部下として隻腕の大隊長になる必要があったから、というのはわかるし、時系列的に本作は「怒りのデス・ロード」前日譚なので、そこまでの辻褄が合うようなプロットが必要だったのだろうけれど、もっとアクションの連続でストーリーを語って欲しかった。
あと、追うよりも追われてるシーンが多いほうが、映画としては緊張感が生まれて面白いのかも。
後半の大戦争こそ、ナーレション処理ではなく、もっと詳しく描いて欲しかったなあ。
血と砂とガソリンにまみれた混沌の世界で、フュリオサにはもっともっと危ない目に遭わせて、絶望マックスまでとことん追い詰めて、母の仇であるディメンタス将軍へのリベンジを心底応援させて欲しかった。
土砂降りの雨の中、映画館からの帰りの車では、狂ったバイカー軍団に囲まれないように、いつも以上に安全運転になりました。