オンライン試写にて。
フランスで実際に起こった未解決事件ヴィギエ事件をモチーフにした裁判サスペンス。
妻が失踪し夫が妻殺害の容疑をかけられるもの、立件できず。しかし二審でまた裁判にかけられる事に。事件発生から10年もの月日が流れ、夫は精神的にも参っていた。彼の無実を信じる主人公ノラは、敏腕弁護士に協力を仰ぎ、真相を探ることになる。
実際の事件がモチーフで、ノラというキャラクターはフィクションとの事なのだが、ノラが証拠として渡された250時間もの通話記録を手がかりに裁判を進めていく様がとにかくスリリングで面白い!さながらミステリー小説のような面白さだった。
冤罪か?有罪なのか?真犯人とは?無罪を信じ続けるノラが周りが見えなくなるほどのめり込んで行く様に狂気を覚えながら、ぐいぐい惹きつけられて前のめりで見てしまう。フランスでもヒットしたのが頷ける。
フランスの司法制度では陪審員(日本でいう所の裁判員)が非常に重要で、重い罪ほど陪審員にゆだねるべきという思想なのだそうだ。これはフランス革命から200年以上続く伝統なのだそう。
いかに陪審員に"確信"を抱かせることが出来るか。
有罪という確たる証拠がないことをいかに陪審員に訴える事が出来るかが非常に重要な焦点になる。
ラストの最終弁論は必見の演技だ。
ノラに関しては観ているこちらとしてはなぜそこまで…!と思ってしまうが、ラストの表情にグッと惹きつけられ、裁判の難しさを改めて感じさせる作品だった。
非常に骨太でオススメの裁判ドラマである。