mさん

ドント・ブリーズ2のmさんのネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作の悪役だったおじいちゃんが今作は一転して正義の味方のように描かれてて不快になる人もいると思うけど、自分は前作から時間も空いてるし普通に受け入れられた。敢えてメッセージを読み取るなら、過去何をしたか、過去がどうだったかじゃなく大事なのは今だっていうことだろう。例え過去に愛し合いその結果生まれた愛すべき娘であったとしても、心臓移植の犠牲に平気で選ぶ、もっというと金儲けと引き換えに娘を殺そうとする実の両親と、過去「1」で誰もが嫌悪するほどの変態性を見せつけたが、今は娘の安全を願い、教育を施し、護身術まで教える盲目の老人はどちらがいいのか。やっぱりその答えは最後に自分の名前をフェニックスと答えたあの娘が物語ってると思う。大事なのは今で、過去の罪は消えないけど、だからといって怪物のままいるのではなく、善人に努めるのが大切なんだと思った。

それでも元軍人の教えなのか、盲目だからなのか徹底的に息の根を止めて、頭蓋骨を割る姿にはかつての恐ろしい怪物の面影を感じずにはいられない。それをフェニックスが見て、どっちがいいのか本当の両親と老人の中で揺れ動くのが面白かった。

ただおじいちゃんが超回復しすぎて、傷がどんどん癒えて無かったことになってるのが流石にリアリティーがなさすぎた。

ラウンド1で一回負けてラウンド2でボッコボコに仕返しするという流れは好きなんだけど、尺の割き方を逆にしてほしかった。ラウンド1はもっとあっさりでいいから、ラウンド2の仕返しのところをもっと見せてほしかった。

もしかしたら娘が生理を迎えたりし出したらまた前作のような恐ろしいことをやろうとしてたのかとか、人が死んだ時の悲しみ方が前作の子種をうみつけた人が死んだ時と同じリアクションだからちょっとあの気持ち悪さがフラッシュバックしてしまった。これは自分が悪いんだけど、それでも純粋に人の死を悲しんでいるだけなのに、過去の行いや出来事によって純粋に捉えられないってなてしまうことは新鮮で新しい発見だった。

ラストの完全正義みたいな形で老人を退場させることはやっぱり今が大切と言うテーマで行けば良いのかなと思う。彼自身許されると思ってなくて、フェニックスを一度遠ざけているわけだから。その上であれがあるなら良いと思う。

照明がオレンジ色で綺麗だった。
暗闇の中だから照明が要になってくるなと思った。
mさん

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