いざわ

セブンのいざわのネタバレレビュー・内容・結末

セブン(1995年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

最高映画でびっくりしてしまった。

もともと親から「胸糞映画」と聞いていたのでずっと避けていたけど、色々タイミングがあり鑑賞。最高だった。
まず、①ライティングやカットが洗練されていて格好いい。画の見栄えがいい。
②サスペンスとして、ストーリーの構成(ルール)が分かりやすく、かつゴア...?グロ...?うーん、センセーショナルな映像が続くので観ている側は感情の緩急を要求され、次の展開への求心力がある。
③なんといっても伏線回収が秀逸、かつ、その段階でテーマが明確になるのが最高。本当にただの感想ですが...。
メインの登場人物の他にキーとなるのが、途中出てくる売春宿の受付の男。「仕事はつまらない、当たり前だ」と話し、(恐らく)腐ったように人生を送る彼と、世を憂い、自らの所業に矜持を持つ犯人の男の「仕事は楽しい」という言葉の対比。
前者が社会的には善人で後者が悪人なのは自明で、そこは「前者は少なくとも殺人をおかしていない」という強力なカードがある。だから観客も疑問に思わない。
でも最後にそのカードがひっくり返されて主人公と観客に問いが突きつけられる。「殺人が悪ならば、もしあなたの妻が殺されたらその時あなたは?」
遠くて他人事だったはずの「殺人」「一本の線の向こう側」の話が急に自分事になってくる。そういうテーマ性の完結(問いかけ)と、「憤怒」の罪を主人公が負わされるというストーリーの帰結が同時に起こる、本当に素晴らしい脚本だなぁと思いました。

脚本のことばっか言ってるな、まぁいいや。
いざわ

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