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ダーク・アンド・ウィケッドのkanacoのレビュー・感想・評価

2.7
これは「悪魔の仕業か、精神的に追い詰められた人間の幻覚か」の境界をぼかして引っ張っていく、広い静かな田舎の農場で繰り広げられるオーソドックスな悪魔ホラー。重く鬱々とした静かな雰囲気が続くが、要所に置かれた恐怖ポイントの絵力は強め!でも構成がワンパターンで体感の鑑賞時間は長かった🤔(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
両親から離れて暮らす姉ルイーズと弟マイケルは、父親の病状が悪化したとの知らせを聞き、実家であるテキサスの農場に帰郷した。父親の死期は近かったが、帰ってきた娘と息子に向かって母親は「来るなと言ったのに…」と突き放す。両親の様子がおかしい…。疑問を持つルイーズとマイケルだったが、その日の夜、事態が急変する。

❶広いく静かな田舎の農場で繰り広げられるオーソドックスな宗教ホラー

父親の病状悪化の報せを聞き、久しぶりに実家に帰ってきた娘と息子が両親を襲う〈何か〉によって同じく恐怖に陥る。広い静かな田舎の農場で繰り広げられるオーソドックスな宗教ホラーだった。〈エクソシスト系〉ではなく〈悪魔系〉。

陰鬱で暗い雰囲気で、基本的には静かで地味。それでもポイントポイントに置かれた強めのホラー演出は痛いし気持ちが悪いので、視覚的なインパクトはあった。毎回、突発的に凶行が起きるのでドン引きするし、絶望感もちゃんと伝わってくる。特に「実家でおかしなことが起きている」という本格的なスタート合図となる序盤の母親の狂行は、「ひぃいい😱」と気持ち悪くなってしまって、ちょっと目を背けてしまった。

❷このタイプのホラー映画にありがちなパターン化を感じて好みじゃなかった

父親の病気と母親が残した日記にある悪魔を示唆する文章…。信仰が薄く都会で暮らす娘たちが、家族の死に直面する中、異常な状況下に陥り怪異に飲み込まれていくようなタイプの作品。いわゆる「これは悪魔の仕業か」「精神的に追い詰められた人間の精神病、または集団ヒステリーか」の境界をぼかして引っ張っていく、オーソドックスなホラーパターンもの。私は一時この手のホラー映画ばかりに当たっていたのだが、最近は恐怖の根源が序盤からはっきりしたような作品が多かった気がするので、「よ!久しぶり😀✋✨」って感じだった。

ただ、こういう作品に自分はハマらないことが多く、今回はその典型的なパターンだった。「悪魔」か「精神的なものか」で主人公たちが揺れる場合、そして特に彼らがスピリチュアルなものを否定する科学的な考え方を根強く持つ場合、真偽はともかく目の前のことを受け入れて対処するまでが遅いパターンが多く、同じ構図ばかりが続いてしまう。

本作も、重くて鬱々として静かな雰囲気を保つためスピード感がない上に、息抜きになるようなシーンもない(羊🐏が可愛いなーくらい)。要所に点在する激しいホラー演出のところで主人公が悲鳴を上げて憔悴し、また静かな淡々としたシーンに戻り、次のポイントで悲鳴を上げてより憔悴し…とパターン化。

キャラクターへの愛着が持てないのも手伝って、こうなると鑑賞の体感時間が長くなる。だれているような気がして飽きてしまうことが多い…。でも本作には、絵力が強い恐怖ポイントもちゃんと用意されているから鑑賞を止めるほどではないっていう…。惜しさのあるなんとも言えない感じだった。

🐏🐝「最近に見た『LAMB ラム』や『NOPE/ノープ』などもそうですが、農場や牧場って長閑なイメージがするのに、ホラーの不気味さを際立たせるステージですねぇ。また牧場系か!と思ってしまいました。明るい農場のイメージが今のところ『アルプスの少女ハイジ』しか出てこない…(笑)

本作と全然関係なくて恐縮ですが先週MARKを上げた『LAMB ラム』のアダちゃん何かに似ているとずっと引っかかっていたのですが、先週の土曜に洋服を買いに行って思い出しました。Tシャツ専門のショップ『グラニフ』のラムチョップでした~🐏。ラムチョップがアダちゃんグッズに見えてきました。服着てないしチョップしてくるけど(笑)」
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