銀幕短評(#612)
「ドライブ・マイ・カー」
2021年、日本。2時間59分。
総合評価 30点。
がっかりしました。長すぎますね。前半10点で後半70点にもちなおしたかな、と思ったらさらに余分な終盤があって、また10点をつけました。原作は出版時に読みましたが、こんなにつまらないストーリーだったかな。ちょっと改変しすぎですね。くどい、というか あざとい、というか しつこい、というか。思わずうならせる、意味のあるメッセージが少ない。単なる平板な事象の羅列にすぎない。さいごは、ああ1分1秒でも早くこの映画が終わらないか、と祈りつづけました。こんなのひさしぶりですよ。
3時間もあると いろいろな役者が出ますが、ベストアクターは芝居のコーディネーター役の韓国人のおとこの子ですね。かれの表情は かわいくて とてもいい。ベストアクトレスは、韓国手話をあやつる女の子ですね。そこには どんな声色より雄弁な ゆびと腕の躍動がある。そしていちばんの戦犯は、主人公の妻役です。どうして彼女を選んだのだろう、セリフがあんなに棒読みなのに。
「木野(きの)」がいちばん好きですね、あの短編集のなかでは。あの作品は、あの本のなかでは 突出して優れている。なんども読んでいるし、ついでに英語訳版も読みましたよ、“The New Yorker” 誌で。チェーホフ? 興味ないな たぶん死ぬまで。ロシア文学はドストエフスキーでじゅうぶんです。
でもサーブは もちろん好きですよ。むかし飼っていた犬の名に つけたくらいに。かわいい犬だったな、ぶちの。
日比谷シャンテにて。
そのあと、初めての銀座泊だったのですが 、東銀座ですてきなバーを見つけて ひとりで 2時の閉店まで飲みました。店主と とてもなかよくなりましたよ。「木野」のように。これからしばらく通いつめることになりそうです。こんど ご一緒したいですね。
(長いコメントを並べました。)