TaichiMurakami

ドライブ・マイ・カーのTaichiMurakamiのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5
妻を失った演出家の男性が、喪失感の中、広島で舞台を作り上げる過程で役者や舞台関係者、専属ドライバーとの出会いを通じて希望を見出していく話。

個人的には、全般的に優れた作品だったと思う。イマイチな点と良かった点は以下の通り。

【イマイチな点】
・少し長すぎるように感じた点。多くのシーンに生や死を感じさせる芸術的な要素が垣間見えるが、個人的にはここは本当に必要かと思えたところがあった。
・ユーモアが少し足りないかなという点。喪失感をテーマとしているが、多少はユーモアの要素があった方がメリハリがあったかも。

【良かった点】
・主に2つのメッセージが伝わってきたのが良かった。
①大切な人は、たとえ理解不可能で許しがたい要素を持ってたとしても全力で接した方が良いというメッセージ。コロナを初めとして人と会う機会が限られるからこそ、そして個人的に、なるべく大切にしたい人にはベストを尽くして接することを心掛けているからこそ、この映画のメッセージはかなり響いた。
②たとえ環境が違ったとしてもお互いを励まし、理解し合えるというメッセージ。 最後の方のシーンでジーンときた。 これについては昨年、友人の一人との対話の中で個人的に経験したことを思い出した。
③演出家の男性もドライバーも最初は無感情であったが、だんだん感情が出てきた点。西島さんも三浦さんも優れた演技をしていた。

【良かった点】がかなり感動出来るものだっただけに、【イマイチな点】が少し惜しかったかなと思う。
だが、全般的に優れた作品であることは間違いない。