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ドライブ・マイ・カーのtackyのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.0
「ノルウェーの森」を100ページ足らずでリタイヤした身としては、おそらく共感できないだろうと見始めたが、意外にわかりやすく、しかも3時間という長さが気にならなかった。

第一部よりも、その2年後の広島のシークエンスから、俄然面白くなって来た。
勉強不足で、「ワーニャ伯父さん」を全く知らないで観ていったが、それでも舞台稽古やドライブ中のカセットの台詞によって、その世界観と現実のシンクロ具合が素晴らしく、それを的確に表現した演出は良かったと思う。

しかも、途中からドライバーの娘が語り出すと、その過酷な生き様と主人公の過去の苦しみがカセットの台詞を含めて、物語が回り始める様は、とても素晴らしかった。

ただ、肝心の妻が共感できない嫌な女性で、なぜ主人公があそこまでなれるのか、どうしても理解できず私には難し過ぎた。しかも、SEXの後に語る話が、ただのエロチックホラーでつまらなかった。この話がもっと良いと、素晴らしい作品になったと思うが‥

やはり村上春樹の描くヒロインは、苦手である。
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