村上春樹の世界観を表現した傑作。
※映画「ノルウェーの森」が好みでなかったので、いい意味で驚かされた映画。
舞台俳優であり演出家の家福悠介(西島秀俊演じる)を中心に織りなされる物語。
家福は妻の音と幸せな日々を過ごしていましたが、妻が秘密を抱えたまま突然亡くなってしまう。
妻の突然の死を経験し、その喪失感と向き合いながら物語が展開される。
「僕は、正しく傷つくべきだった」
愛車でのドライブは、家福にとって、脚本を覚える時間であったが、広島での講演を機に、自己を振り返る時間となる。
寡黙な専属ドライバーみさき(三浦透子演じる)、妻と不倫していたであろう俳優の高槻(岡田将生演じる)と過ごす車内での時間が、家福を揺さぶる。
最後には、自分を限りなく愛した妻。他の男性を限りなく求めた妻。どちらも矛盾したものではなく、ありのままを事実として受け入れることができるのであった。
3人とも演技が素晴らしく、特に岡田将生の車内での演技は圧巻。ちょい鳥肌もの。
車内の狭い空間での独特の静寂と緊張感。映画で開始2:00~からのシーンをぜひ見ていただきたい。