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浜の朝日の嘘つきどもとのAPACHEのレビュー・感想・評価

浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)
4.2
【浜の朝日の嘘つきどもと】感想

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100年近くの間、地元住民の思い出を数多く育んできた福島県の映画館・朝日座。しかし、シネコン全盛の時代の流れには逆らえず、支配人の森田保造はサイレント映画をスクリーンに流しながら、ついに決意を固める。森田が一斗缶に放り込んだ35ミリフィルムに火を着けた瞬間、若い女性がその火に水をかけた。茂木莉子(もぎりこ)と名乗るその女性は、経営が傾いた朝日座を立て直すため、東京からやってきたという。しかし、朝日座はすでに閉館が決まっており、打つ手がない森田も閉館の意向を変えるつもりはないという。

福島中央テレビ開局50周年記念作品として同タイトルのテレビドラマ版の前日譚をオリジナル脚本で映画化。

東日本大震災とコロナによって突きつけられたエンタメ業界への大打撃。映画館、劇場、ライブハウス、会館など集客が頼りの興行全てに試練が襲った現実。不要不急で、「なくても生きていける」と言われてしまう映画やエンタメの素晴らしさをストレートに描いてくれる作品。

DVDや配信で映画を観られる時代に、映画館で映画を観ることの幸せと、映画館でしか味わえない感動をこの映画はみせてくれる。

シンプルなストーリーと構成で観やすく、遠からず現実的であり、どんでん返しや目新しさはないけど、映画っていいなって思える。

そして、高畑充希の演技力に圧巻‼︎
高校生から大人まで成長していく姿を、普通は服装と髪型を時代背景と重ねてそれっぽく見せるんだけど、表情と言葉使い、雰囲気の表現で年月の移り変わりを違和感なく見せてくれ、物語が進むにつれて暴言と名言が入り混じながらの展開は好きだ。

それと先生役の大久保佳代子の存在感がいい。
先生として教えるのではなく、ひとりの人間として向き合い、自然な言葉での「急がなくても皆んないつか死ぬんだよ」とか、ほんわかと良いこと言う。

高畑充希がやけに映えるもんだからなんでかなと思ったら、対峙する顔面が大久保佳代子だから引き立ったんだと気づいた(笑)

あとは、この作品に出てる俳優さん、監督、製作スタッフの面々の作り手側からの映画愛が伝わってくる。

映画は、お腹の満たされないものだけど、人生に映画がなかったら、なんか寂しい...。
映画に出会えて人生が豊かになったよ‼︎って思える作品デス🤘

あー観とけばよかった!って思わないように(笑)
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