ぺここ

ヒッチャー ニューマスター版のぺここのレビュー・感想・評価

-
思春期に観て自分の好きな映画の方向性が決定づけられた作品。

乾燥しきった砂漠を赤い車が走ってくる。
砂埃を巻き上げて。
もうその絵面だけで好き。

カラカラの不毛の土地に、ルトガー・ハウアーの肌と目だけヌメヌメと光っている。
きっと普通に生きてる人が見ることがない世界で生きてきたのだろう。

彼は、ジム少年に止めて欲しかったのか、それとも自分を継承して欲しかったのか。

彼の事は何ひとつわからないまま。
この虚無感がたまらない。

ぬいぐるみや犬、ヘリが出てくるタイミングが絶妙。
そのなかでも雲の切れ間から光が差してきて、彼の気持ちが変わる演出、巧みなだけじゃなくて人の心が分かってる。
無駄な演出もなく低予算サスペンスのお手本のような作品です。

ルトガー・ハウアーはどこか超越した人物をやらせたら飛び抜けてますね。
C・トーマス・ハウエルはピュアさを体現してて良し。
ぺここ

ぺここ