叡福寺清子

エスター ファースト・キルの叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

誰もがエスターの正体を知った状態で,さらには私のような映画マニアなら前作を復習した状態で,視聴するであろう本作.自ずと評価のハードルは上がるものですが,それを軽々と飛び越えた本作には,称賛の拍手を送りたいと存じます.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.

そう,前作を憶えておられる方ならば,エスターが4年ぶりに発見された少女として迎えいれた一家を惨殺し,屋敷に放火した事は既知の事.それを今更そのまま再現ドラマにしたって,評価されることはありまえん.そこで,デビッド・コッゲシャルが導き出した解答が,まさかの「貞子VS伽椰子」!
絶対殺るガールのエスターがOPからフルスロットルアクセルべた踏みの狩る側から,母親のルーメン・ピア・・・じゃないトリシア・オルブライトに狩られる側へのシフトチェンジ.二大悪女の首の取り合いはまさに「貞子VS伽椰子」.これを思いついたとき,デビットさんはガッツポーズ取ったんでしょうか.私なら,雄叫びますね.と同時にトリシアの登場で,相対的にエスターのダークヒーロー像が形作られるわけでして,実際イザベル・ファーマンさんはインタビューで『観客がいかにヴィランとしてエスターを応援したくなるかが肝でした。エスターというキャラクターに惚れ込んでくれるような演じ方を模索したんです』と話されておられます.でもまぁ結局は池の中に沈んじゃうんですけどねっと.
池といえば,前作ラストではエスターは見上げる立場でしたが,本作ラストは見下げる立場で対照的でございましたな.

で誰もが,撮影当時23歳のイザベル・ファーマンさんが10歳のエスターに見える映像に感嘆するでしょうが,その技術と工夫はYouTubeかなんかにビハインドが出回るでしょうから,そちらで確認されるがよろしいのではないでしょうか.
あと同インタビューでファーマンさんは『ファンの皆さんが「もう一度エスターを観たい!」と声を上げてくれたら、私は何度でもエスターを演じたいと思っています』と答えておられます.戻ってくるのか,エスターは!