のんchan

あの夜、マイアミでののんchanのレビュー・感想・評価

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)
4.0
実話ではないものの、実話から着想を得て書かれた戯曲の映画化。
黒人レジェンド4人がある一夜、マイアミのモーテルの一室で熱く『黒人問題』を語る会話劇‼️

その4人とは、マルコムX(38歳)サム・クック(33歳)ジム・ブラウン(28歳)モハメド・アリ(22歳)だった。

1964年2月25日、フロリダ州のマイアミビーチ・コンベンションセンターで、カシアス・クレイ(後のモハメド・アリ)が世界ヘビー級王者に輝いた🏆その夜の出来事を仮定して描いている。

まず私はこの4人が繋がっていた事に驚いたが、華々しく活躍しているそれぞれの英雄が、アリの勝利を祝うために、なんとも地味で質素なマルコムXの宿泊しているモーテル(当時すでに身辺に危険が迫っていたマルコムXの警護に守られて)に集まる。自らのアフリカ系アメリカ人としての立ち位置を巡り激しい議論へと発展していく。

簡単に4人の紹介
⚫︎マルコムX(1965.2.21、39歳没)
黒人解放運動の激烈な闘士。白人を敵視する言動は大きな波紋を呼んだ。

⚫︎サム・クック(1964.12.11、33歳没)
R&B歌手。自ら音楽出版社を設立し、著作権を自身で管理。公民権運動にも積極的に関わった。

⚫︎ジム・ブラウン
アメリカンフットボールの名選手。俳優。

⚫︎カシアス・クレイことモハメド・アリ(2016.6.3、74歳没)
プロボクサー。3度の世界チャンピオンとなり、その後、病魔に見舞われながらも、1996年アトランタ五輪では聖火を灯す最終ランナーをつとめた。


導入部で4人が置かれているアフリカ系アメリカ人としての複雑な状況が描かれていて、この夜の室内劇へと繋がっていく。
世界が違う4人なので、4様の話になるが、
ジム・ブラウンが故郷のジョージア州に帰郷した際に味わう、何とも苛烈な体験がショッキングなエピソードとなっている。
そして、黒人と言っても肌色の濃淡で悩み方も違うのだなと感じ入ってしまった。

私がこの作品に興味を持ったのは、個人的に若い時にハマっていたサム・クックの名前を見つけたから✨🥺
音楽もこの作品に重要なアクセントになっている♪

話し合いはマルコムXとサム・クックの意見が割れ衝突する。そのシーンでは、ビートルズやローリング・ストーンズなどの名前も登場するし、最後はマルコムXが、「この音楽をラジオから聴いた時にサムを思い浮かべた」と言って、ボブ・ディランの『風に吹かれて』のレコードに針を落とすのだ...♬

"いくつの道を歩めば
人間(男)と呼ばれるのだろう"

これは白人のボブ・ディランが作ったが、全アメリカ国民、やがて全世界の心を捉えた良い歌だと...

そこでサム・クックも素直に受け止め、黒人である自分が最初に作るべきだった...
その後、あの名曲『A Change Is Gonna Come』が出来上がる♬

ご本人Sam Cooke 聴いてみてください🎶

https://youtu.be/wEBlaMOmKV4


サム・クックを演じたレスリー・オドム・Jr.オリジナル曲『Speak Now』も良いです。今サウンドトラックを聴きながら書いてました♬

https://youtu.be/1vAvQ9Um8hQ


※どこか顔も似ている雰囲気はあるけど、身長もちょっと低いし...やっぱりご本人の方がイケメンかと思うな〜💕
なんせ昔からのファンなので🙏


※Amazon Prime Videoにて独占配信中
のんchan

のんchan