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ソングバードのWNTのレビュー・感想・評価

ソングバード(2020年製作の映画)
3.6
感染したら2日で死ぬ致死率の高い変異型ウイルスが蔓延した世界。
空気感染し一度ついたら取れないウイルスのせいで免疫を持つものだけが外に出ることを許され、免疫を持たないものは衛生局に監視され外に出られない。
ロックダウンしている街で免疫を持つニコは需要の高い配達員として働いていた。

ある日ニコの最愛の人サラのマンションで集団感染が発生し一緒に住んでいた女性も感染してしまう。
朝9時に熱を測りウイルス検査を義務付けられていることによって熱があることが衛生局にバレてしまいQゾーンと呼ばれる感染者用施設に連れていかれそうになる。

ニコは配達員としてのコネと経験を使って免疫を持っているという証の黄色いリストバンドを入手するため奮闘する。

フェイスタイムやビデオ通話、ドア越しに話すのが当たり前の世界。
物を渡すときも直接渡す事はできず殺菌してから渡す徹底ぶり。
空気感染するということもあり外にも出られないし同じマンションに住んでいるだけでうつってしまうという厄介ぶり。

会えるのは同居している人のみということで会いたくても会えない、人肌恋しくなる。
コロナ禍で人とのつながりが減ってきていることとリンクして観ることで考えさせられるものがいくつもあった。
ここまでいまは感染症はひどくないけれど、この世界のようにもっと感染力の高い変異種が出てきたら変わってしまう可能性もある。

手を握ったときの温かみ。
これは直接会わないと感じられないもの。

ルールを守るもの、守らないもの、それを逆手にとって悪巧みをするもの。
免疫を持つものは神か、悪か。

現代に合った作品で、思っていた展開とはかなり違ったけれどディストピア化した社会で幸せになるために自分らしくいるためにはどうすればいいかというヒントが詰まっていた。
前半中盤は失速気味だけれど後半が良かった。
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