れもん

映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021のれもんのレビュー・感想・評価

4.5
2022年公開の『ドラえもん』の映画シリーズ41作目(「第2期」16作目)で、6作目『のび太の宇宙小戦争』のリメイク作品である。

リメイク元の6作目も傑作だったが、今作も甲乙つけがたい出来だった。

■個人的に良かった変更点

①ドラえもんたちとパピが出会うまでの時間が半分ほどに短縮されたこと。
②ラジコンの戦車に乗って移動するだけの退屈なシーンが少なくなっていたこと。
③戦闘シーンの迫力がアップしたこと。
④パピから民衆への演説シーンを追加したこと。
⑤ドラコルルをより魅力的な敵として描写したこと。

①②のおかげでテンポはリメイク元より格段に良くなっていた。
③はほぼ40年前の作品をリメイクするなら当然のことではあると思うが、昭和と令和の違いをしっかり感じ取ることができた。
④は昨今の世界情勢に鑑みてもメッセージ性が感じられて良かったと思う。
⑤によってギルモアの愚かさが浮き彫りになる効果もあったし、魅力的な敵の存在は単純にエンターテイメントとしての面白さをアップする要素だと思う。

■個人的に良くなかった変更点

①パピのキャラクターデザインを変更し、髪の毛を生やしたり頭身を高くしたりしたこと。
②パピの姉・ピイナというオリジナルキャラクターを追加したこと。
③出木杉が敵に襲われなくなったこと。
④怯えたスネ夫が立ち直るくだりを二度も繰り返したこと。
⑤パピが自分からピシアに捕まりにいくようにしたこと。

①に関しては本当に余計なことをしてくれたなと思った。笑
パピはあの無機質な外見と律儀な性格のギャップが良かったのに。
守ってあげたくなる感じが半減していた気がする。
②について、松岡茉優は女優としては素晴らしいけど声優としては残念だったので余計にそう感じた。
③は出木杉推しとして許せない。笑
ラストでのび太たちから異星での武勇伝を聞かされる出木杉の気持ちを考えると辛い。笑
④によって一度立ち直ったスネ夫が再度怯えることになってしまったため、パピに励まされて一度立ち直ったのは一体何だったんだという気持ちにさせられたし、単純にくどい。
⑤によってパピの聡明なイメージが弱くなってしまった。
恐らく⑤は④のようにパピの登場する時間を増やすためで、②は⑤に理由づけをするためだったと思うけど、パピの登場する時間が増える=パピに対する思い入れが強くなるというわけではないので、いずれの変更も必要無かったと思う。

ビリー・バンバンによる挿入歌やOfficial髭男dismによる主題歌はとても良かった。
『東京リベンジャーズ』にも『ドラえもん』にも合わせられるOfficial髭男dismの主題歌職人ぶりはすごい。

そして、今作を鑑賞したことで『ドラえもん』の映画シリーズ41作品を全て鑑賞することができた。
とても長い道のりだった。笑

個人的ベスト作品は36作目『新・のび太の日本誕生』(2016年公開/監督+脚本:八鍬新之介)、次点が33作目『のび太のひみつ道具博物館』(2013年公開/監督:寺本幸代/脚本:清水東)。

↓『新・のび太の日本誕生』
https://filmarks.com/movies/65525/reviews/139808097

↓『のび太のひみつ道具博物館』
https://filmarks.com/movies/52918/reviews/139653283

個人的ワースト作品は32作目『のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』(2012年公開/監督:楠葉宏三/脚本:清水東)、次点が40作目『のび太の新恐竜』(2020年公開/監督:今井一暁/脚本:川村元気)

↓『のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』
https://filmarks.com/movies/23668/reviews/139443484

↓『のび太の新恐竜』
https://filmarks.com/movies/85097/reviews/140102864

せっかくなので、来年公開予定の『のび太と空の理想郷』も鑑賞しようと思う。

【2022.08.31.鑑賞】
【2022.09.02.レビュー編集】
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