監督の仰る「足したところから引いていった」がゆえの密度と強度が高くて、正直一回では全然理解しきれていないのだけれど。
上映後の宇多丸さんと奥田監督のトークで補助線引いて頂いたおかげでとても助かりました。
私たちはいつでも加害者になりうるし被害者になりうる。「当事者」になっていきなり人生がどん詰まる。
誰しもがその人にとっての真実と正義を生きていて、そのパワーバランスが少し揺らぐだけで加速度的に物語は動き出す。
語る内容そのものも魅力的だし、その描き方がとてもリッチ。
エレベーターや階段を使っての上り降り、隣人のドア脇に置いてあったもの、溶接する彼の語る言葉etc…
登場人物誰にも「良い人」「ダメな人」「優しい人」ってシールを貼らせてくれない映画で、掴みどころがないのがとても豊かでした。
