歌うしらみがおりました

冷血の歌うしらみがおりましたのレビュー・感想・評価

冷血(1967年製作の映画)
4.0
ド頭からキャッツポウ!ってのはどうでもいいとして、徹頭徹尾ひたすらクール。車内でダラダラ会話してるだけなのにどうしてこんなにカッコいいのか。
二人が事件を起こした翌日、家の中を浮遊するように動いて訪ねてきた家族と待ち合わせするカメラ、これ私が大好物なやつ。で、叫び声がパトカーのサイレンを誘発し、走行中の列車から落とされてゴロゴロと転がる麻袋。
白眉は死刑を待つロバート・ブレイクの表情が、本当に絶望的なのだが、窓の方に体を動かすと、光が当たって少し明るくなったように見える。しかし、顔に映る雨が泣いているようにも、顔が溶けているようにも見えてやはりそこには絶望しかない。そして少しずつ顔半分が闇に覆われていく。
ラストカットも見応え充分。