伊坂幸太郎原作「マリアビートル」映画化作品。
試写会にて鑑賞しました。
1時間程度の舞台挨拶付きのIMAX上映で、ブラッド・ピット、アーロン・テイラー・ジョンソン、マシ・オカ、監督のデヴィッド・リーチらが登壇していました。
キャストとファンとの交流なども観ることができて、大スクリーンで観る映像によって擬似的にその場で参加している気分を味わえてなかなか楽しかったです。
さて、本編についてです。
●個人的に良かった点
多種多様な殺し屋やらその道の方々が新幹線の中に集結しており、彼らのそれぞれの視点をバラバラに描くことで、サスペンス要素も保ちつつ各々の個性や性格的な部分をうまく描けていたと思います。
物語の終点に向けて登場人物たちが絡み合っていく部分は、劇中でも言及されていたように「運命」であり、途中下車することもできず各人の宿命にたどり着いてしまうようで、非常に興味深いものがありました。
散りばめられた伏線が最終的に連結し、カタルシスを生むタイプの映画なので、そういったジャンルが好きな方はハマるかもしれません。
●個人的に今ひとつだった点
欲を言えばもう少し日本描写が欲しかったなぁと思いました。決して圧倒的に不足しているというわけではありませんでしたし、ある程度監修されている様子も見受けられました。
ただ、舞台挨拶の際に、デヴィッド・リーチ監督は、日本描写はちょっと誇張してます、的なことを言っていた割には意外と日本人からしても落ち着いてはいるなぁと思わされたので。
まぁ、比較対象として「ジョン・ウィック3」のような映画を想定していたので、肩透かしを喰らった部分はありました。
あと、アクションシーンももう少し欲しかったかなぁといったところです。
スタントマン出身のデヴィッド・リーチ監督作品「アトミック・ブロンド」では、かなり印象的なシャーリーズ・セロンの長回しでの戦闘シーンがあったりしたのですが、今回はあまり記憶に強く焼き付けられるようなシーンはなかったと思います。
キャラクターも多いので、会話シーンに重点が置かれていたのかもしれませんが、多少物足りなさを感じました。
個人的にはそこそこ面白い、と言った感想ですが、ブラッド・ピットのラフな感じの立ち振る舞いや、一見運が悪そうに見えて結果的に運が良かったりみたいな楽しい描写が多いので、彼のファンにとってはかなり楽しめる作品かもしれません。
●余談
舞台挨拶において、ファンサービスでブラッド・ピットがサインをする場面があったのですが、サイン色紙として「スナッチ」のパンフレットを持ってきていたファンがいまして。
それに対してブラッド・ピットが "I like it!" と言っていたのが本当に羨ましかったですね。
自分ももし試写会などでファンサービスを受ける際にはどんなものを持っていこうかなぁとか、俳優別にサイン色紙大喜利を思わず妄想してしまいましたよ。