きつね

ボクたちはみんな大人になれなかったのきつねのレビュー・感想・評価

3.7
若かりしの佐藤くんは21歳。
わたしも上京したのがその頃。
はじめて恋人ができたのもその頃で佐藤くんと同様に新宿や渋谷の風景と共にあの日々の記憶を追体験。

今でもその人を連想させるものや場所が頭の片隅に残っている。
未練があるわけではない。
元恋人のことも会わなくなってしまった友人たちのこともラストのスライドショーのように思い出せる。
私の人生の中で印象的だった人たち。

成仏していない言葉も、懐かしくなる場所も残り続けていいじゃないか。
ラストの佐藤くんの顔。
懐かしんで切なくなったりする気持ちすごく分かる。
思い出して泣きたくなる時があってもいいよ。
人生の財産よ、これは。
若かりしの自分の行動をまとめて優しく肯定してあげたくなるような作品。

森山未來のどこにでもいる男の演技は今作も素晴らしい。
あと東出昌大。
この人演技良いよ。
きつね

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