コントから漫才へ/劇場からテレビへとステージを移すビートたけしが、テレビの論理を振り切って我を通す決断。
日々積み重ねた努力、師匠との出会いと決別、支え合った同士との抱擁が頭を駆け抜ける中、いつも踏んできたステップが自らを突き動かすその一瞬。
名シーンだと思います。全体的にややウェットなものの、このシーンのドラマティックな盛り上げは素晴らしい。
時代に追い越されたカリスマの悲哀と最後のプライドを体現する大泉洋、雰囲気は宿しつつもモノマネにはならない柳楽優弥はいずれも達者。
ただ作品全体として、監督からビートたけしへのリスペクトをものすごく感じるんだけど、だからってあの時代への懐古(もしくは憧れ)を無邪気にやっちゃうのはどうだろうなーと。