手堅い。いい映画だとは思うが、Netflixであれば、もう少し攻めた何かを求めてしまう。それこそたけし映画のような毒っ気、皮肉、暴力性。元が元だから仕方ないとは思うが、そこまでたけしさんが追い込まれてないような。寅さんのような人情ものを割り切って見て方がいい。
音楽もいかにも感傷的な音楽で安易とも捉えられかねない。劇団ひとりさんの仕事は本当に手堅いし、大泉洋さんは流石の貫禄。何より良かったのはナイツの土屋さん。普段気づかれないことで有名な彼だが、今作ではカメレオン役者として本領を発揮している。門脇麦さん、柳楽優弥さん、鈴木保奈美さん、ここら辺はまあベテランですから、期待通り。
それでも何か枠を超えてこないのは、今のたけしさんを我々が知ってることありきで作られているから。そりゃたけしさんだから売れるよな、っていうロジック以上のものが無かったのではないかな。
