【地味子ナタリーが咲き乱れるまで】
T屋発掘良品で見つけレンタル。アメリカン・バーレスクの伝説的スター、ジプシー・ローズ・リーの伝記映画、ミュージカル仕立て。
名前は知っていたが、その人生については無知だったので、大雑把な映画化でも勉強にはなりました。
舞台で脚光を浴びることに憑かれたステージママに、姉妹で振り回される日々。はじめは妹の方が売れ線だったんですね。演じる子役の、達者なパフォーマンスが楽しくはありますが、その支え役を続ける前半は、退屈。
1962年ものだが、私には見事賞味期限切れでした。バーレスク映画『ティーズラマ』の、ベティ・ペイジ出演箇所だけ見る方が、まだ面白い。
やっぱり、ナタリー・ウッド演じる、姉ルイーズに寄ってからが面白くなる。妹が出て行ってしまうので、主役を張るしかなくなるが、芸がついていかない。そこに、“脱ぐ”代役のチャンスが巡ってくるが…。
一般向けミュージカルとして仕立ててあるので、当時のバーレスクを掘り下げる楽しみはないですね。でも、地味子だったヒロインがある意味開き直り、ひと肌ふた肌脱ぎ艶やかに加速してゆく爽快感は、本作を見てよかった!と思わせるものでした。
芸の巧さで魅せるのではなく、ナタリー・ウッド素の魅力を露わにしてゆく流れでしたが。
母娘のバトル確執を、ミュージカルで何となく和ませるのはよくある、ズルい手ですが最後、答えの出ないものをこう終わらせるのは悪くないな、とも思わせました。
妹は女優としてそこそこ成功したのですね。ジューン・ハヴォックって、機会あれば出演作、見てみたいです。
ジプシー・ローズさん本人の映像はあまり残っていないようですが、『ステージドア・キャンティーン』に出演して、自分の舞台を再現しているようです。ナタリー・ウッドの舞台よりは、よりコミカルでとことん、明るいものだったようですね。
http://youtu.be/4m9kd_nD1mA
<2021.6.6記>