ノラネコの呑んで観るシネマ

ホムンクルスのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ホムンクルス(2021年製作の映画)
3.4
Netflix。
頭蓋骨に小さな穴を開ける“トレパネーション”手術を受けた綾野剛が、人間のトラウマが見える特殊能力を発動しちゃう。
薄っぺらい人間はそのまま紙みたい薄っぺらに、ヤクザ者は武装したロボットという風に可視化。
漫画は昔映画のストーリーの真ん中くらいまで読んだが、結末は記憶にない。
人間の心に隠された本質が見えるのは、楳図かずおの「恐怖」にも似たエピソードがあったが、こちらは主人公が人のトラウマを治癒させるのが特徴。
やがて彼自身の過去が明らかになり、心の傷と向き合うという話はまずまず面白いが、ディテールの荒さが気になってしまった。
石井杏奈はあれでなぜ治癒したのか分からないし、主人公と後半登場するある人物が、揃って記憶を無くすとか、都合のいい部分だけ覚えてるのは何故かとか、あの人どうやって暮らしてるのとか、色々無理がある。
プチマッドサイエンティストの成田凌のトラウマが、父ちゃんとの関係なのは分かったが、結局何をやりたいのか曖昧なままだし。
原作途中までしか読んでないから、問題が原作由来なのかは分からないが、脳が見せる白昼夢の様な世界なのなら、もっとドラッグ的にぶっ飛んだ方が良かったんじゃないかな。
これはこれで嫌いじゃないけど。