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TOVE/トーベのクリームのレビュー・感想・評価

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)
3.8
ムーミンの作者トーベ·ヤンソンの人物像が思ってたのと違って驚いたけど、逆にこんなに自由奔放な人だったからこそ、あの世界観が生まれたのだなぁと妙に納得させられました。ムーミンを観る目が変わりました。

1944年のヘルシンキ。戦時中、防空壕の中で、子供達に語った物語からムーミンの世界が生まれました。父のヴィクトルは著名な彫刻家、母のシグネは挿絵画家。厳しい父はトーベに絵画を描いて欲しかった。トーベは、息苦しさからアトリエを借りて暮らしを始めます。
自分と美術界とのズレに葛藤し、複雑な恋愛関係を経て、人生を謳歌して行くのでした。



ネタバレ↓



友人のパーティで、知り合った政治家で既婚者のアトスをサウナに誘い、いきなり裸になり迫るトーベ。2人は不倫関係に。喫煙している自画像は父にも美術会でも気に入って貰えません。トーベはアトスの助言で、世間受けを狙い「ムーミントロール」の物語を連載します。 別のパーティで資産家で夫のいるヴィヴィカと出会い、恋に落ちます。しかし、このヴィヴィカに心をかき乱され続けます。ヴィヴィカと共にムーミンの舞台の脚本に携わったりしますが、彼女はトーベより遥かに奔放で、女ったらし、トーベは耐えきれず、彼女と決別し、アトスの元へ。しかし、間違いに気付き、1人に戻り、精力的にムーミンの仕事をし、1人で生きて行く事にします。
父が亡くなり、父が収集していたトーベの記事や絵等を見て、認めてくれていた事を知ります。そして、自分の思う様に製作活動をする決意をした様に見えました。

ラストにご本人の映像が映ります。奔放に飛び回ったり、踊ったりする姿は、映画のままでした。
ムーミンと言う児童文学を手掛けた人が、こんなに性に対しても自由奔放だったとは驚きでした。しかも同性愛が犯罪とされた時代なので、物凄く度胸のある人だったのだと思います。トーベと言う人の事が少し解って楽しかったです。

独自の言葉を交わし合うツンツン頭の2人組トフスランとビフスランのモデルは、トーベとヴィヴィカ。スナフキンのモデルはアトスだそうです。

*のんchanありがとう♡
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