ザリくん

キャラクターのザリくんのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
3.9
「キャラクター」の逆輸入から始まった、殺人鬼との恐怖の共同制作を描くサイコサスペンス。

殺人鬼を目撃したインスピレーションから殺人鬼漫画を描いていたら、ご本人が模倣犯になりシンクロの果てにやがて・・・の展開が緊張感を保ったままスピーディーに進んでいく 韓国クライムサスペンスのような映画。正直ツッコミどころはいくつかあるがその速さを生むためにすっ飛ばしてるとも見える。

監督がCM畑の人なので画の力が強い。ライティングが一々カッコ良い。
文字通り「画」の力では、劇中漫画の書き下ろしを古谷兎丸先生が担当していて、これがまた豪華で素晴らしい。筆舌に、尽くせる!厨二心に刺さる作画の34、よだれ出るほど読みたい。
今回俳優初挑戦で殺人鬼を演じるfukaseも演出のお陰か全然違和感がなかった。

「創作者と創作物の関係が逆転し、溶け合い、食い合う相互作用」を同じくテーマとしてノベライズ化、コミカライズ化もしていて、それぞれ展開結末が異なっておりこちらも興味深かった。

以下ネタバレ注意

韓国映画っぽい映画あるあるで警察が無能ゆえに、清田の有能でイケメンぶりが際立った。際立ってしまった…
両角が神出鬼没過ぎるがために、リアリティがないが、そいつそのものが漫画から飛び出したようなキャラなので怖いな…と
OP映像がカッコ良過ぎる、会議も不必要に照明を落として渋くしている。

最後の最後の不穏な幕引き、非常に良かった。キャラクターが山城に感染した雰囲気で辺見も捜索中、辺見が奥さんに手を出すようなことがあれば山城が次のダガーになる展開もありえる… 怖いが清田が遺した意志がそれを止めてくれると信じるしかない。
ザリくん

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