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半径1メートルの君のmushiのネタバレレビュー・内容・結末

半径1メートルの君(2021年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

今、見るべき作品だと思った。
劇的に何か起こるわけじゃないけどなんとなく前を向きたいと思わせてくれた。

どのお話も素敵でもっと見たいと思ったしここでお話が終わる事で自分の解釈で想像できて素敵だなと思いました。

1作品目”真夜中”
会話の中でユリイカのことをしっかり考えててそれを真っ直ぐに伝える花岡と会話をしていくうちに意地やプライドを捨てていく久保は見ていてわかりやすくてちょっとしたきっかけにどんどん前向きになっていって楽しかった。雰囲気やお話の内容は重めだけど関西弁がいい感じに軽くしていて見やすかった。言葉の選び方がすき。

2作品目”まわりくどい二人のまわりくどい気持ちの伝え方は大胆でむしろまわりくどい”
本田の妄想が痛々しい。1つミルクレープのこしておくしおりがかわいい。
短編だからこその作品!2時間の映画にもなるときっとまわりくどすぎてイライラしちゃうと思う。第三者からみたらまわりくどいけどたしかに大胆!色んな気持ちを込めて複雑な味になるミルクレープって発想素敵すぎる。服のタグにラブレターは気持ち悪いと思ったけどありそう。1番すきなお話だった。

3作品目”戦湯〜SENTO〜
いい意味で箸休めになった。前の2つがしっかりとしたお話だったからリセット出来た。フリースタイルダンジョンで見ていた般若が出てきて個人的に上がった。

4作品目”やさしい人”
まあそうだよね。ってオチだったけど途中ずっと怒鳴るように話す倉科カナに嫌悪感があったが最後のひとことで一気に好きになった。トリミングしてツーショットにして飾るのは怖い笑いつか寝たきりの女性の優しさに見舞いに来た男性(徳井義実)は気づくといいな。毎週時間作って会いに来てくれるなんて素敵。2回目のデートの前っていうのがしんどいなー。思い出のほとんどが病院での会話だけど惹かれてる二人がみえたきがした。

5作品目”バックヤードにて”
急にファンタジー色が強すぎてびっくりした。10分前後の中で世界観を説明するのは難しそう。短い時間で新しい展開が多くてどきどきした。

6作品目”とある家のこと”
あんまり仲が良くないのにお互いに少しずつ思ってる姉妹は素敵でした。性格も系統も全然違うのに本当の姉妹にみえた。「私の嫌いは好きなの」って台詞が心に残った。その前に「あんたが生まれる前からあんたのことが嫌い」って言ってて苦しくなったけどその後の嫌いは好きって言ってて姉妹っていいなって思った。お互いに思ってることはあってもなかなか言えなくて母が亡くなったのをきっかけに距離が縮まる二人は見てて楽しかった。母の日記と思いきや父と母の交換ノートのようなもので台詞にしか登場しない母の苦労が見えた気がした。

7作品目”同度のカノン”
ほんとに素敵。言葉、会話って面白いなと思えた。粗品のナレーションから世界が変わる感じが少し前のアニメのような展開だなと思った。スーツで鍵盤ハーモニカを吹くアンバランスさが気になっていたけどそこにさえ意味がある気がする。なんてことない会話でも順番が違うだけで意味も変わるってすごい。映画としてはお話自体のオチがないように感じた。1番印象に残ったし鳥肌たった。正彦と義正は正常だと思ってて病院側がおかしいって思ってるけど実際はどうなんだろう。続きが見たい。
何気ない会話だからこそ生きるトリックだなとおもった。粗品の言葉選びは全部がツボ。すきです。

8作品目”本日は、お日柄もよく”
足を痛めた若者をちゃんと面倒見てあげるところに優しさを感じた。
娘の3回忌に遅れそうでも娘と同じことにならないようにと気にかけていたのかな。自分の娘を一途に思い続けてもらえたら幸せと同時に苦しくなりそう。その苦しさも幸せも感じた。心があったかくなった。

どの作品も素敵でした。映画館で見るべきかと言われたらすぐには頷けないけど、今見るべき作品なのかなとも思う。もう一度くらい見に行きたい
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