ろく

半径1メートルの君のろくのレビュー・感想・評価

半径1メートルの君(2021年製作の映画)
3.5
吉本がつくったというので色眼鏡で見ていたけど、なかなかどうして及第点レベル。自称映画監督たちのショート・ムービーよりよっぽど良い出来だ。ただ吉本が作ったからといって即笑いを希望するのは危険。むしろちょっといい話の方が出来がいい。

「真夜中」★★
ピース又吉の脚本。また芸人ネタかとちょっとがっかり。又吉も「自分のこと」しか書けないじゃんと言いたい(又吉の小説はどれも悪くないんだけど、狭い範囲の事しか書けないのは痛い)。いまいち乗り切れず。

「まわりくどい二人のまわりくどい気持ちの伝え方は大胆でむしろまわりくどい」★★★★
ジャルジャル脚本。いや伝わらない感じがいいし最後にかけての展開もいい。起承転結がしっかり描けているので好感が持てる。ミルクレープでよくぞここまで捻る。題名だけ限りなくダサい。

「戦湯~SENTO~」★★
品川ヒロシ監督脚本。品川は映画を作るなと言いたい。俺って上手いだろって感じが鼻についてしかたない。唯一の救いは般若の金田がイケメンになっていたことだ。般若、昔はただの嫌な感じ芸人だったけどこれならいろんなとこでやれるんじゃない?(あとでしっかり調べたら般若の金田とは全く関係ないらしい。しまった、粗忽ものだよ)

「やさしい人」★★★★
高須光聖脚本。いいぞ、これ。とってもいい。最後のオチもショートムービーならではの良さを生かす。好きな人を自由にしてあげるのも愛だよ。徳井、なんとも困惑気味な演技もあり。

「バックヤードにて」★★
上田誠脚本。またヨーロッパ企画はタイムマシンかよ。匂玉があまりに作り物ぽくって萎える。ドロステもサマータイムマシーンも僕にとっては面白くないのでこれも低評価。どうもヨーロッパ企画とは相性が悪い。

「とある家のこと」★★★
3時のヒロイン福田脚本。可もなく不可もなく。ああ、いい話が書きたかったのねと納得。松井玲奈マンセーなんでそれだけでよし。可愛い(それだけかい!)

「同度のカノン」★
粗品脚本。いや頑張ったのは認めるけどもっと見せ方があったはずだ。だいたいそこまで違いがないし。トリックは面白いのは認めるけどその見せ方が圧倒的に悪い。

「本日はお日柄もよく」★★★★★
丑尾健太郎脚本。この短い時間でよくもまあここまでトリッキーなものを作ったものだ。しかもオチを見て不覚にも涙。これだけでこの映画はありになったよ。これよりも長く演じてしまっては展開の妙もだらだらしてしまうので時間もベストマッチ。また岡村のおっさんの演技がなんともいえなくいいじゃないか。

3勝4敗1引き分けだからあまりよくないはずなんだけど、最後ので満足。よしよし。
ろく

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