ポケ文太郎

名もなき歌のポケ文太郎のレビュー・感想・評価

名もなき歌(2019年製作の映画)
3.6
2019年 ペルー🇵🇪/スペイン🇪🇸アメリカ🇺🇸

実際に起きた事件を基に作られた本作
ペルー出身の女性監督メリーナ・レオンの長編デビュー作です

時代は1988年、この頃のペルーはハイパーインフレーションが発生してる治安は悪化
先住民の若い夫婦の門出から物語はスタート
貧しい生活ながら妻は妊娠、ラジオで妊婦に無償医療を提供するクリニックの存在を知り受診する
後日陣痛が起きたので再びクリニックを訪れ出産
しかし子供には会わせてもらえず一度も抱くことなく、その行方はわからなくなってしまった

本作は全編モノクロ
なんとなく雰囲気が一瞬『ROMA/ローマ』っぽく思えましたが、あちらは製作費たっぷり最新技術を使った作品
こちらは一目瞭然の低予算映画です

乳児売買
先住民への差別
貧困
ジェンダー問題
そしてテロリズム

あらゆる問題を盛り込み、実際どの事件を基に制作されたのか分かりませんが、当時の救いようのない深刻な状況は伝わってきました
そして、この状況は決して過去の事ではなく今も続いているという恐ろしい事実

物語自体は断片的で出来事が関連している訳でもなく…
本作は当時の救いようのない状況を映し出したアート系映画と受け止めればいいのかなぁ

主演の原住民女性を演じたパメラ・メンドーサの自然な演技がリアルでよかった
でも夫役の方は…

この監督が次に何を撮るか、気になります
ポケ文太郎

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