無機質で空間的なカットが造る静謐な世界の中で、揺れ動く動乱の社会と娘を想う母の眼差しが熱を帯びていた。
良い余韻だ…
こういうガチャガチャしていない、モノクロームの中でうねるような力のある作品は大好きですね。
何度も歌や祭りのシーンが差し込まれるけれど、あそこで演奏されているのはペルーの民族楽器なのだろうか?心地よい音で、殺伐とした世界に彩りを加える。あと、ペドロと役者のシーンがとびきり良かったな。レストラン、役者の家、別れのシーン。どれを取っても色気があって、社会を覆う熱とは異なる逃げ場の熱感があった。
ラストシーン、海を見つめる瞳はどこか強かった。