このレビューはネタバレを含みます
シリーズ29作目。もうおなじみになりつつある髙橋監督の4作目にあたる作品。
今回は学園ミステリーもので、カスカベ防衛隊のメンツがやや強引に天カス学園へ体験入学することに。
そこで起こる吸ケツ鬼事件の真相を追うのを軸にして、しんちゃんと風間くんとの友情に焦点を当てた作品。家族愛成分は少なめ。
天カス学園はオツムンと呼ばれるAIに管理されていて、エリートポイントによってクラス分けさせられているという賭ケグルイみたいなシステムが導入されている。この辺の不気味さとかは引き込まれるものがある。
ただミステリー部分は少し退屈。ミスリードを誘うためにキャラが多く出てくるし、意味深なカットも作らなければならないのでなんかごちゃごちゃしてる印象を受けた。
そのなかでもマサオの不良化は結構おもろかった。こういう時のマサオってどうにでもおもしろくなるからホント便利だよなぁ。
ラストの伏線なんだろうけど、中盤の風間くんとのケンカはちょっと強引だったかな、と。風間くんはよく怒るけど、あんまりしんちゃんって売られたケンカを買わないタイプだと思うので、ちと違和感を感じるシーンかなと。
そしてラストのマラソンから急にカタルシスを強く感じるような展開になったのはすごく良かった。このあたりはメッセージ性も強く感じた。たぶんキッズには分からないだろう。
とくにチシオちゃんの走ると変顔になって笑われるから走れないっていうコンプレックスの克服場面は泣けた。「ワタシ、大好き」ってやつはたくさんの人を勇気づけるだろう。
一生懸命な人を笑うなっていうメッセージもすごく良かったね。
一生懸命な様を笑える人はたぶん想像力が足りてないか、一生懸命になったことが無い人だろう。
スーパーエリート風間さんっていう存在もキャッチーだったし、負けたらスーパーエリートにさせられちゃうっていう嫌なのか嬉しいのかよく分からん状況もシュールで良かった。