よーすけカサブランカス

ハウス・オブ・グッチのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.5
実際の事件をほとんど知らずに見たが、そら映画になるわ、と思った次第。ファッション業界という華々しさを纏ってはいるが起こっていることはほとんどマフィア映画である(アル・パチーノが出てるからとかではなく)。
面白いのは野心もりもりのパトリツィアが大人しいマウリツィオを操ってグッチ家を乗っ取って終わりでもなく、マウリツィオが家族を追い込んだ良心の呵責に苦しんで終わりでもなく、普通に彼もグッチ家らしい自由ぶりを発揮して追い出されること。結果マウリツィオは憑き物がとれたように笑顔が戻り、またかわいい自転車に乗るのだが(乗り物で彼の精神の変化を表すのはシンプルだが味があった)、そこに悲劇。
アル・パチーノはとにかく好々爺で微笑ましかったし(それ故あのサインさせるシーンの悲しさよ)だし、レディ・ガガは他の女優には出せないであろうものがすでに出てたし(毎シーン変わる衣装も見物)、アダム・ドライバーは言わずもがな。