えちぜん

モーリタニアン 黒塗りの記録のえちぜんのレビュー・感想・評価

3.4
すっごいテーマだし(実話ベース)、骨太な演出でキレもあるんだけど、重く平坦な展開がしんどい。

米国の非人道的な拷問が暴かれるわけだが、911に対するアメリカの憎しみが動機にあるだろう。そして弁護士のナンシーを「テロリスト側」と罵る米国民も、感情面で致し方ないがやはり憎しみの連鎖である。

しかし拘束されたスライが、最終的には「アメリカを許したい」と語れる姿に、彼の深い知性と勇気を感じる。21世紀に入り世界の分裂が進むいま、この解決法を語っている。
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