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ベレニスのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

ベレニス(1954年製作の映画)
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ロメールは時系列で観て行こうかと、初期の短編からスタートしたら、エドガー・アラン・ポー原作で、かなり薄気味悪い。一体なぜこれを映画化しようとしたのか気になる。モノクロサイレントでナレーションがかぶせてある。登場人物は同じ屋敷に住む従兄妹三人。「偏執狂」に罹患した男性をロメール自身が演じている。従妹ベレニスはてんかんを発症している。原作があるとはいえ、その設定で嫌な予感しかしない。

「偏執狂」の男はベレニスに勢いで求婚してから、ベレニスの歯が頭から離れなくなる。←文字面だけだと男の頭に歯が! 

薄気味悪い内容より、ロメールが本作を撮った理由が気になる。「偏執狂」に扮したかったのか? ここで描かれている「偏執狂」は確かに偏執だが、いわゆるパラノイアとは違って、視野が狭窄し、眼球が動かなくなる感じだった。

もう一人同居している小さな従妹の今後が心配。

昔は疾病への科学的理解がなかったんだろうが、今ならNGに思われる。昔と言っても1954年なので、ただエドガー・アラン・ポーの原作(1835年)を撮りたかったのか。謎、ロメール34歳のサイレントにする必要があったかわからない初短編映画。
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