現実世界と仮想世界Uで織り成される青春リアルファンタジー。
『Uでならやり直せる』
その言葉で正体不明の歌姫“Bell”となった少女が出会ったのは、同じく正体不明の“竜”。
生乾きの傷と孤独に向き合った時はじめて、見上げた入道雲が眩しかったです。
ただストーリー全体を通して、不必要な点や必要なのに割愛されてしまった点が多々あったように感じます。
すずが何故そこまで歌うことを重要視していたのか(人との繋がりが歌だった?)、出会って直ぐの竜に執着するのか(竜に自分と何か通ずるものを感じた?)という肝の部分をもう少し丁寧に描いて欲しかったです。
それがあってはじめて、あのディズニーオマージュ部分もすんなり入ってきたと思うのです。
そのため、合唱団のおばさま方やルカちゃんとのシーンは省いても良かったのではないのかな…と。
またストーリーの要を【人との繋がり】に持っていくのなら、性愛的な要素はあまり必要なかったとも思います。
しかしキャラデザや楽曲、世界観は圧倒されっぱなしで大満足でした。
冒頭部分は大変キャッチャーで、観た人全ての心を掴むと思いました。
ただ個人的に、上述したようストーリーの点と点を結ぶ上でもう少し取捨選択がシンプルになされていれば…と思いました。