ザリくん

竜とそばかすの姫のザリくんのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.5
世界観への引き込みが非常に魅力的で、冒頭は彩色豊かな仮想世界を背景にミレパのエモいサウンドの中歌唱する歌姫が舞い、バチコリと心を掴まれた。

ストーリーは良くも悪くも細田守の集大成(ヴァーチャル世界の美女と野獣、青春劇、家族物語の三要素を詰め込んだ欲張りセット)といった感じでライブ感中心展開のような印象を受けた。奇跡頼みで安全圏から指示厨しちゃうしのぶくんのこと、すずを1人で行かせる合唱会の大人のこと、嫌いにならないでください!

色々あったけどベルの歌声の素晴らしさで音楽シーンは素直に感動できる力を持っている。歌唱パート全部泣きそうになった。

ヴァーチャル世界はサマーウォーズの焼き直しで、今やるには時代も追い付いて目新しさはないがやっぱ憧れる。背景に写るアバターが1人1人細やかに全部魅力的なデザインしてたの凄かった。案内妖精とか可愛すぎる。
ネットの声を読み上げる演出は寒い民放ニュース番組のようで少し苦手。
アナログの人間の動きとかはいつの時代になっても魅力的に描けるの安心して見ていられる、この辺は廃れない価値だと思う。

父からのLINEを読むところと、ラストの光差し込む入道雲(再スタートの提起)のシーンが印象的、夏らしさが細田節だね。

(追記)ミレパの紅白ステージとんでもなく良かった。圧巻。
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