誰もが誰かを演じることができるのがSNS。賞賛を得れば一躍スターになれるが、不興を買えば賞賛者たちは一瞬にして背を向ける。
現実とは違う電脳世界「U」で、思うままの自分になりたいという明確な意思もなくベルになったすず。母への葛藤、そこから生まれたトラウマを超えていけるのだろうか。電脳空間では絶大なる支持を得たベルと、現実の自分とのギャップ、すずはどう消化していくのだろうか。
SNSが生まれた頃は匿名性が高かったが、ビジネスと絡むにつれて現実とSNSとのボーダーがなくなりつつある。多くのSNSはアカウントの仮面を剥ぐことをよしとしつつあって、我々もまたそこに利点を見出すことが多くなってきている。
電脳世界でトップを取った者の仮面の下はどんなものだろうか? もしも憧れのインフルエンサーの現実がまるでかけ離れていたらどうするか? そんな疑問を突きつける。
親子、友人、恋人、夢、児童虐待、SNSなど、多岐にわたるモチーフをつなぎ合わせたのはさすが。広がりすぎ感もあまりない。ただ『美女と野獣』オマージュは感じたかな?
ベルのキャラクターが素晴らしすぎ! ああいう歌姫見てみたいですね。現実にはああいう人はいないけど。