バーチャル世界の奥行きと疾走感はサマーウォーズより更に数段パワーアップしていて、歌と相まってスクリーン映えする作品になっていました。
子供たちは竜をヒーロー視しているところなど、細かい伏線の張り方は見事なものの、肝心なところで話が飛躍してしまうのは、私の口には合いませんでした。主人公と母を重ねたいのは分かるけど、主人公1人で解決させる必要はなかったのでは…。
バケモノの子ほどではないものの説明的な台詞が気になってしまいました。ただ、ストーリーの軸である、主人公の葛藤とトラウマの克服、この部分を余計なモノローグを入れずに表現し切ったのは素晴らしいと思いました。
私個人の中でも賛否が分かれる作品であり、主軸である主人公の成長譚としての描写への満足感から賛が勝ったものの、不満点が多々あったことも否定できません。
それにしても、細田作品はいつも、恋人役の存在感が今一つですよねぇ…。