きれいな歌声、作画、コンセプトはとても良かった。
冴えないそばかすの女の子・すずが仮想世界「U」で歌姫「ベル」として、みんなのハートを掴み、自信をつけていく様子は、ネットから顔の見えないスター歌手が生まれる現代社会と通ずるところがあり、共感しながら見られた。
一方で、細かい部分で気になる点も多かった。
まず、仮想世界「U」の説明が分かりづらく、どういった空間として社会の中に溶けんこでいるのか分からなかった。
また、主人公・すずの母親の亡くなり方も無謀すぎて全く共感できなかったし、すずが父親と会話しなくなった理由も分からず、学校には通えてるのに歌は歌えない意味も分からなかった。
あと、幼なじみの男の子を好きになるのはまだしも、唐突に登場したリュウを好きになる意味もわからなかった。
すずが寂しい生き方をしてきたからこそ、リュウと通ずるところを感じたのだと思うが、だからといって共感するような場面や描写がないのは雑だと思う。
その他にもご都合展開が多く、1場面ずつを見れば良いものの、繋げてみたときに話が繋がってるように感じられず、違和感を抱きながらの視聴だったので最後まで世界観に没頭できなかった。
細田監督の作品は好きなので、次作に期待したい。
