サラフィアー

カラーパープルのサラフィアーのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
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あらすじ(HPより)優しい母を亡くし横暴な父の言いなりとなったセリーは、父の決めた相手と結婚し、自由のない生活を送っていた。さらに、唯一の心の支えだった最愛の妹ネティとも生き別れてしまう。そんな中、セリーは自立した強い女性ソフィアと、歌手になる夢を叶えたシュグと出会う。彼女たちの生き方に心を動かされたセリーは、少しずつ自分を愛し未来を変えていこうとする。
そして遂に、セリーは家を出る決意をし、運命が大きく動き出す──。(https://wwws.warnerbros.co.jp/colorpurple/)

最近一番楽しみにしていたやつ。良かった…
スピルバーグの1985年版を観ていたので大体の流れは知っており、最初に姉妹が幸せそうに歌ってる姿でもう泣いた。。
1985年版はとにかく辛くて観ていられないという感じで心が折れてしまったので、かなり心の準備をして観たのだけど、これはかなり観やすくなっている。
セリーの身に起きること、貧しい黒人女性として南部で生きること、は本作も同じで悲惨なのだけど、ミュージカルなので力強い歌声に純粋に慰められる。希望を見出せる。

やはりブロードウェイでも活躍する俳優を主体に起きつつ、そこに演技派俳優、歌手を入れ込むスタイルはミュージカル映画がうまくいくセットという感じがする。
セリーにしろ、ソフィアにしろ、何度も演じてきた役なだけあって説得力がある。全てのパフォーマンスが圧巻で震えた。
ハリー・ベイリーは相変わらず可愛らしくて快活でネティがぴったりだった。
コーリー・ホーキンスはまあちょっとあれな役なんだけども、歌のうまさとダンスのキレで惚れそうになる。かっこよすぎ。
そしてタラジ・P・ヘンソンがこんなに歌えるの知らなかったよ…
H.E.R.はもうちょっと歌って欲しかった笑(でもサントラにはもう少し彼女の歌がありますね!)

1985年版ではセリーとシュグの関係が曖昧に描かれていたので批判もあったそうだけど、今作は素敵なデュエットでしっかり描写されていて良かった。
あとは1985年版よりもその後の男性陣たちの姿があり、救済があった。
1985年版は白人から奪われる黒人男性としてのプライド、その反動としての家庭内暴力という構造的な問題を炙り出すようなところがあった(今作ではそういう描写があまりない)ので、合わせてみることで、根本的な問題は彼ら自身ではなく(もちろんそれで彼らの罪が許されることはないのだが)、救済の余地を与えるという流れが理解できるのかもしれない。私なら絶対に許せないと思うけれど。でもセリーは強く、気高いのだろうね。

1985年版で心折れて原作が読めずにいたのだけど、↑に書いたようなところが原作だとどうなっているのか気になるので流石に近いうちに読もうと思う。
予告で聴くたびに泣きそうになってた好きなセリフ。
We are more than just Kings and Queens. We are αt the center of the Universe.