MakikoSato

カラーパープルのMakikoSatoのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
4.0
オリジナル映画のエッセンスは残しつつ、ブロードウェイミュージカルらしくわかりやすくなっている。
オリジナル映画の方が虐待や差別の悲惨さが強く、余白をもたせた表現が多い。ミュージカル版も同じ出来事を描くが、力強い楽曲や画面の明るさが悲惨さを和らげる。人間関係や心情も早い段階で説明されスッキリ。オリジナル映画では多面的で白黒つかない、リアリティのある人物描写もシンプルに描かれてる。
わかりやすくされたからと言って、それが陳腐になるとは限らない。虐待と抑圧に慣らされてしまった主人公が、出会いと経験によって自ら目覚めていく過程と、立ち上がる力強さ、自由を手に入れて人生の喜びに満ち溢れる生命力はオリジナル映画以上に感じたかも。