MakikoSato

ロスト・キング 500年越しの運命のMakikoSatoのレビュー・感想・評価

4.0
実話を基にしたコメディとあるが、なかなかビターなお話。
シングルマザーの中年女性が情熱のままに歴史的な発見を手繰り寄せるも、大学や研究者らに手柄を横取りされてしまう。
人生に行き詰まった時、自らの情熱を傾けられる事を見つけ、他人の声に惑わされずに我が道を貫き、没頭する様は力強く爽快感があるが、組織ではなく個人であり、専門家でなくアマチュアである事の壁は厚く高い。心あるサポーターが多くいたとしても、である。
最終的にはリチャード3世の評価を正し、自身も女王から勲章を貰ったとラストの字幕が告げるが、やはり印象的なのは字幕が示す後日談よりラストシーン。華やかな公の場ではなく、これから沢山の「不当な扱い」を受けるであろう女児達のために壇上に立つ主人公は、その時、何を思うのか。
本当の強さとは何か、深く考えたい。